販売価格の比較や、安全性などをご紹介するので、参考にしてくださいね。
コンドームに比べてより確実に避妊のできる避妊法に経口避妊薬(低用量ピル)があります。そして、ピルの購入には病院以外に通販サイトという選択肢もあります。
インターネットでの購入は病院に比べて安いイメージがありますが実際はどうなのか、いくつかのサイトで比較しました。またなぜそのような価格になるのか、理由を探るとともに商品の安全性などもご紹介します。
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目次
安いピルの通販サイトの料金比較
トリキュラー
By: indiamart.com
「トリキュラー」はバイエル薬品株式会社が開発した経口避妊薬(ピル)の一種で、卵胞ホルモン薬と黄体ホルモン薬が配合されています。この薬は、避妊効果を持たせながら、ホルモンの量をアフターピルに比べ少なくしてあり、このことから低用量ピルとも呼ばれています。
この薬は、それぞれの日数の錠剤によって用量が3段階になっていて(3相性といいます)、自然なホルモン分泌に近いパターンが発現します。また、3段階にすることで、ホルモン総量を少なくすることに成功しています。
つまりその分の副作用や体への負担が抑えられているということです。トリキュラーには21と28がありますが、効能としてはともに違いはありません。
トリキュラー21は21日間服用を続けたのち7日間の休薬期間があるのに対し、トリキュラー28は28日間飲み続けます。とはいえトリキュラー28の多い7日分の錠剤は単なるデンプン錠です。
7日間休薬することを忘れてしまったり、休薬期間明けで薬を飲み忘れたりすることがありそうな人はトリキュラー28をお勧めします。成分が同じ薬にアンジュ、ラベルフィーユがあります。
価格
ベストケンコー | 1箱:2,969円 |
オオサカ堂 | 1箱:1,040 |
ココロ薬局 | - |
トリキュラーについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
マーベロン
By: igenericstore.jp
「マーベロン」はトリキュラーと違い1相性(1段階)の低用量ピルです。欧米ではホルモン量の調整で3段階のピルよりも避妊しやすいと考えられているため、ユーザーが多いです。
他の低用量ピルに比べ男性ホルモンの量が少ないため、頭痛、吐き気、肌荒れ、体重増加といった副作用の頻度が低いピルと考えられています。頻度は少ないですが副作用として見られるのは出血です。出血は服用中にみられ、若干の程度のものから連日続く場合があります。
服用を毎日同じ時刻にすることや、2~3シート服用していくうちに出血が収まることもあります。しかし、場合によっては出血が止まらないこともありますので、その場合は医師に相談してください。出血の頻度は100人に2~3人といわれています。
価格
ベストケンコー | - |
オオサカ堂 | 1箱:908円 |
ココロ薬局 | 1箱:1,300 |
マーベロンについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
ヤーズ
「ヤーズ」はピルではありますが、超低用量ピルという異なる種類に分類されます。月経困難症やPMSの軽減目的で発売されていて、トリキュラーなどの低用量ピルよりもさらにエストロゲンの配合量が少ないです。
また、日本で初の合成ホルモンである「ドロスピレノン」を黄体ホルモンとして含んでいて、生体内の黄体ホルモンと近い働きをします。ホルモンの量、種類により低用量ピルよりも副作用がさらに出にくいとされています。
海外では主に避妊薬として認可されているのですが日本ではまだ避妊目的では未認可です。男性ホルモンを抑制するのでニキビや多毛症にも効果があります。
価格
ベストケンコー | - |
オオサカ堂 | 1箱:2,116円 |
ココロ薬局 | 1箱:2,700円 |
アイピル(アフターピル)
By: uskenko.com
アイピルはこれまで挙げた3つのものとは異なり、アフターピルの一種です。低用量ピルだけでなくアフターピルも通販サイトは扱っています。アイピルは世界的に普及しているアフターピル「ノルレボ」のジェネリック医薬品で、価格が安いことから広く使われています。
毎日定期的に服用するタイプの低用量ピルとは異なり、性交渉後に服用することで排卵を抑制し、避妊効果を発揮します。ノルレボ同様にレボノルゲストレルという黄体ホルモンを含有しています。
アフターピルの例にもれず72時間以内の服用で75パーセント以上の効果が、24時間以内の服用で97パーセント以上の効果が見込まれるので、できるだけ早急に服用することが望ましい薬です。
価格
ベストケンコー | 1箱:2,980円 |
オオサカ堂 | 1箱:1,254円 |
ココロ薬局 | 1箱:1,350円 |
安いピル通販サイトと病院の料金比較
トリキュラー
By: indiamart.com
ベストケンコー、オオサカ堂、ココロ薬局で比較するとオオサカ堂の1箱¥1,040が最安値です。病院はおよそ¥2,100と診察料がかかります。
マーベロン
By: igenericstore.jp
3社で比較するとオオサカ堂の¥908が最安値です。病院ではおよそ¥2,300と診察料がかかります。
ヤーズ
3社で比較するとオオサカ堂の¥2,116が最安値です。病院ではおよそ¥2,100と診察料がかかります。
アイピル
By: uskenko.com
3社で比較するとオオサカ堂の¥1,254が最安値です。日本では未承認のため病院では取り扱いはありません。
通販サイトが安い理由
安い理由① 偽物だから
すべてが偽物だとは言いませんが、大手製薬会社のファイザー社が行った調査では、インターネット通販の70パーセントが偽薬であったとされています。薬は昔から「薬九倍層」などといわれたように大きさ、輸送費、管理費のことだけを考えれば利幅の大きい商品です。
がん治療薬などの中には、1錠で1万円を超える高額なものもあります。そこまでの価格になるのは、新薬の開発には長い年月と莫大な費用が投じられているからです。安全性を確認するための治験も、何段階もの手順を踏んで行なわれています。
そんな新薬も海外では成分を調べ、同じような薬を作る人たちがいます。これらはコピー薬といわれますが、なかなか同じように薬をコピーすることは難しいものです。薬は有効成分だけでなく、剤形、添加剤、溶ける速度、場所などさまざまな角度から設計されています。完成した料理があったとしてもそれを見てまったく同じ料理を作ることは難しいのと同じです。
つまりまったく同じ薬を作ることは不可能なのです。さらに悪質なものは、ただのデンプンだけで見た目以外は、まったく似せる気が無いものさえあります。これらが混入してしまう危険性をゼロにできないのが、通販サイトの宿命です。
安い理由② 情報の精査、スタッフが不足しているから
病院で処方される薬には説明書(医薬品情報提供書)もあり、説明をしてくれる人(医師、薬剤師)もいます。それぞれ専門家や国がコストをかけて作っており、品質の面では疑いようがありません。
ですが通販サイトにはそのようなスタッフはいません。先ほど上げた3社の説明でも間違った記載が見られました(1相性のピルに対して「3相性のピル○○のジェネリックで成分は同じです!」と書いてありました)。人件費が削られているため、価格も安いのです。
安い理由③ 間に入る業者の数が少ないから
いくつか挙げましたがこれが一番の理由でしょう。製造元から患者の元に届くまでに関わる業者、機関が少ないため価格が抑えられるのです。
ピルの通販サイトが安い理由についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
やっぱりピルの通販サイトは危険なの?
その他にもピルの通販サイトによっては違法な薬物も取り扱っている場合や、そもそも薬を送ってこない詐欺サイトである場合もあります。そのようなサイトであれば、お金を無駄にするだけでなく配送のために送信した個人情報まで悪用されてしまいます。
ピルの通販サイトの危険性についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
ピルの安さに惑わされないで!
ピルは保険適用であればそこまで高い薬とはいえません。毎月2,000〜3,000円ほどの負担です。ですがそれを通販サイトで半分にしたからといって本当にお得といえるのでしょうか。サイトと病院では、同じ品物に料金を払っているわけではありません。
病院では診察料、服薬指導料など、さまざまな専門家でないと出来ないサービスにもお金を払っているのです。1ヶ月あたり1,000円程度の差に対して、一生かけても回復できないような健康被害を負うリスクは適切ではないですよね。健康はお金で買えます。処方薬は必ず病院に行って処方してもらいましょう。