通販サイトでピルを購入することの危険性をご紹介します。
低用量ピルは欧米でも広く使われている、便利で保険も効く避妊法です。日本でこそまだあまり認知されていませんが、妊娠しなくなるほかに生理が軽くなる、出血量が減る、周期が28日にそろうなどさまざまな良い作用があります。
そんな便利なピルですが、基本的に日本国内で入手するには病院での診察を受けて処方せんを発行してもらってからでないと購入することができません。ですが、ピルは通販で買うことも可能と言われています。そこで今回は、ピル通販の安全性について解説します。
ピルを安く通販サイトで購入しようと考えている方は、要チェックです。
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目次
ピルの通販サイトって危険なの?安全なの?
今の日本で通販サイトとはあまり危ないイメージはありませんよね。Amazonや楽天など有名な通販サイトもあり、気軽に通販を楽しむことができる時代です。
しかし、ピルの通販だけは危険があります。それは、ピルの通販サイトのほとんどが海外サイトだからです。日本では「薬機法」という法律が制定されており、この法律により、処方せんを必要とする副作用の強い薬は通販などができないようになっています。
ピルも副作用が強い薬に該当するため、日本国内では基本的に通販サイトで売買することはできません。海外の通販サイトの場合も、ピルについて詳しい人が運営している訳ではないため、偽物の薬や不純物が混ざっている薬が売られているなどの黒い噂があとを立ちません。
そのため、ピルの通販サイトは危険なのです。
ピルの通販サイトが危険な4つの理由
では、具体的に通販サイトでピルを購入することの、危険な理由を4つご紹介します。
危険な理由① 海外からの個人輸入である
個人輸入である、という点は多くの危険性があります。日本国内で正規に流通している医薬品は、薬機法に基づいて品質の確認がされていますが、個人輸入される外国製品にそのような保証はありません。
海外の工場が不衛生な環境であるかもしれませんし、販路や保管環境も不明です。薬によっては温度や湿度、光で変質してしまうものも多数あります。手元に届いたころには効果が消えていた、では何のためにお金を払ったのかわかりません。
危険な理由② 診察がないこと
次に投薬前に診察がない、という点を見てみましょう。投薬というものは性別、身長、体重、既往歴、体調、他の薬との飲み合わせ、アレルギー、遺伝的要素など数多くの要素を総合的に判断して行なわれる高度な医療行為です。
適切な投薬が行なわれないと効果が出なかったり、副作用が発現したりします。素人判断での処方薬の投薬はみなさんの想像以上に危険です。
危険な理由③ 投薬後の対応が困難
投薬後の点も見てみましょう。診察は薬を出すまでだけのものではありません。診察して適切な薬を処方したのち、経過も見てくれます。
ピルのようなホルモンバランスをコントロールする薬は不正出血・吐き気・ほてりなどさまざまな副作用の発現が考えられます。副作用が出た場合に、もしインターネットで購入した薬であれば、病院にかかってもすぐに対応するのは難しいです。
危険な理由④ 振込先や個人情報の扱い
通販サイトは関税や法人登録などで限りなくグレーゾーンなものも多いです。また、中には堂々と違法な薬物も扱っていたり、偽薬を箱に詰めて売っていたりと、完全に違法なものも数多く存在します。
そのようなサイトは司法の手をかいくぐるために振込先はダミー会社や個人の捨て口座です。もちろん注文したあとは住所、メールアドレスを含めた個人情報がすべて向こうの手に渡っています。一件いくらで売買され悪用されるかもしれませんし、犯罪に巻き込まれるかもしれません。
ピルの正しい購入方法
冒頭でも説明した通りピルは処方薬です。処方薬ということは必要なのは処方せんです。処方せんを発行できるのは医師ですね。ということで病院に行って診察を受けましょう。
できることなら家から通える範囲の産婦人科や婦人科、レディースクリニックを探しましょう。これらの科ならば、ピルについて詳しいアドバイスがもらえるでしょう。通いやすい病院や話しやすい先生が見つかればより良いですね。
ピルの正しい購入方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
病院と通販サイトで購入できるピルの違い
病院と通販サイトで買うピルを比較するとどのような違いがあるでしょうか。
違い① ピルの料金
病院の場合
色々な種類のピルがありますが低用量ピルですと保険がきくので2,000円程度です。アフターピルの場合ですと保険外になるため5,000〜20,000円の間です。
ピルをもらうための診察代もかかります。
初診で1,000〜2,000円、再診で500〜1,000円くらいの価格帯が多いです。2回目からも同じ病院に通えば少し費用を抑えることができます。
そのほかに、ピルの副作用である吐き気や胃の荒れを抑えるために、吐き気止めや胃薬が一緒に出ることがあります。こちらは各ドクターの判断によりますが、保険適用で500円もしないでしょう。
合計すると病院でかかる費用は、3,000〜5,000円の間ですね。
通販サイトの場合
サイトにもよりますが、1箱1,000円、6箱だと2,500円で送料はほとんどかからないようです。かかるのは振込手数料くらいです。
ピルの通販サイトが安い理由については、以下の記事で解説しています。
違い② 安全性
安全性に関しては先ほどもさまざまな角度からご説明しましたが、改めて説明しておきます。。海外産の出どころのわからない薬はだれもその品質を保証してくれる人がいません。万一その薬を服用して健康被害にあっても保証してくれる制度がありません。
ピルのような体内のホルモンに作用して体調を大きく変化させる薬に対して、医師の診察も、その品質の保証もなしに服用するのはどれだけ恐ろしいことか。もう一度よく考えてみる必要があるでしょう。
違い③ 選択肢の数
ピルは低用量だけでも第1世代(シンフェーズなど)、第2世代(トリキュラー、アンジュなど)、第3世代(マーベロンなど)とさまざまな種類があり、成分・効果・副作用もそれぞれ違います。医師はこれらの中から患者に一番適したピルを慎重に処方します。
その際、参考にする項目は体重・既往歴・アレルギー・家族歴・たばこの本数など実に多岐にわたります。通販サイトですと多くのピルの中から選ぶことはできませんし、何より選ぶのは素人である自分です。安全に避妊ができる確率は、下がってしまいますよね。
結論|ピルの通販サイトは危険!
もちろん「服用が終わったら結果としてうまくいっていた、健康被害もなかった。」通販サイトでそうなることもあるでしょう。でもそれはあくまで結果論です。「通販サイトは薬剤師もついていて、信頼できるから大丈夫。」仮にその通販サイトが大丈夫でも、通販サイトの輸入先の会社、工場の事情がいつ変わるかはわかりませんし、製造環境が清潔かもわかりません。
信用できる薬が手元に届く、ということは製造者・輸送者・販売者・処方する医師すべてが完全に信頼、保証できなければなりません。そう考えると安全な薬が手元にあるということは、どれだけ価値のあることでしょうか。
これが絆創膏や包帯であれば、まだ海外産であっても、体内に直接入れるものではないので最悪の事態は回避できるでしょう。しかし、体内に入れる薬、ましてやピルのように重要な薬だけは、慎重に考えましょう。