間違った方法で服用しては全く効果なし!!正しい飲み方や注意点を全てご紹介。参考にしてください。
避妊にはさまざまな方法があります。男性側に装着するもの、女性側に装着するもの、外科的手術を行い半永久的に不妊状態にするものもあります。
また、妊娠経験のある女性が緊急避妊を求めて来院した際には、銅付加子宮内避妊具の使用を推奨されます。
というのは、緊急避妊法としての避妊効果が高いだけでなく、性交後120時間以内での挿入が可能であり、さらに緊急避妊の目的が果たせた後には通常の避妊法として継続的に使用できるからです。
しかし、やはり人によっては器具を体内に挿入するという医療行為に抵抗がある人もいるでしょう。そんな人には比較的に容易に行える方法で「経口避妊薬」といわれる飲み薬もあります。
飲み薬にも日常的に服用して避妊状態を保つ低用量ピルや、避妊をせずに性交をしてしまった時のためのモーニングアフターピル(アフターピル)と呼ばれるものがあります。今回はそのアフターピルに分類されるノルレボ錠について説明します。
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目次
ノルレボ錠とは?
ノルレボ錠はフランスのラボラトワールLHAファーマが開発し、1999年に『Plan B』として発売され、その後『Postinor(ポスティノール)』、『NorLevo(ノルレボ)』の商品名で、世界で最も普及しているとされている緊急避妊薬です。
その後2011年に日本国内で唯一認可された緊急避妊薬です。この錠剤は、WHOによる緊急避妊のエッセンシャルドラッグとして指定されており、本薬剤による緊急避妊は国際的にも標準な方法として位置づけられています。
海外では、1999年4月フランスで承認されて以降、欧州・アジア・アフリカなど世界約50カ国で販売されています。日本でも、日本産科婦人科学会などが推奨しています。
有効成分は、黄体ホルモンの「レボノルゲストレル」です。
・排卵を抑制する
・排卵を遅らせる
・受精を妨げる
・受精卵の子宮への着床を阻止する
などの作用により避妊効果を発揮します。性交渉があってから72時間以内に服用しましょう。
副作用としては、服用後に、一時的に気持ち悪くなったり、吐いたりすることがありますが、副作用が長期化することはありません。
ノルレボ錠は高い避妊効果がありますが、効果は100%ではありません。服用しても1.1%が妊娠にいたります。
レボノルゲストレル法とは
発売当初はレボノルゲストレル法もヤッペ法と同様に、1錠中0.75㎎のレボノルゲストレル含有ピルを性交後72時間以内のできるだけ早い時期に1錠、更に12時間後に1錠服用するという服用方法がとられていました。レボノルゲストレル法は、ヤッペ法に比べ、避妊効果が高く、副作用の軽減が図られていました。
のちに、服薬の確度を高めることを目的に、2錠分を医師の目の前で服用してもらう方法がとられるようになってから、ノルレボ錠はまた変わりました。
それまでのノルレボ錠は0.75㎎のものしかなく、2錠を飲む用法しかありませんでした。しかし現在は、服用方法の変更を受けて1.5㎎のタイプのものが出たため1錠を服用するだけでよくなり、結果として飲みやすくなっています。
ノルレボ錠とジェネリックの違い
現在では、成分の特許が切れた薬に対してほかの製薬会社が同じ成分の薬を作り、後発医薬品(ジェネリック医薬品)として販売することが可能です。
新薬に比べて開発コストを大幅に抑えることができるため、先発医薬品に比べて半分くらいの価格で購入することができます。ですが有効成分が同じでも、ジェネリックと先発医薬品が全く同じものであるわけではありません。
薬1錠の中に含まれる有効成分はわずか0.01mg以下であることも多いですが、それだけでは錠剤としての形を保つことができません。あまりにも小さいため視認することや手に取ることも難しいでしょう。
そのため添加物として、かさ増ししつつ形を整える成分や溶けるまでの時間を調整する成分を加えたり、狙った臓器まで解けないようにするカプセルを使用したりして、1錠を扱いやすく紛失しにくいサイズにするのです。
ジェネリック医薬品は全く同じではない
ジェネリック薬を作るときに、この添加物の部分が製薬会社によって少しずつ異なります。また薬を作る工場の機械も異なります。たったこれだけの違いではありますが、医師や薬剤師の中にはこの違いを無視できないものと考える方もたくさんいます。
たった0.01㎎の違いが大きな違いを生み出す世界では、添加物一つをとってもどのように作用しているのか、まだ細かく解明されていないのです。
ノルレボ錠の成分
ノルレボの成分は黄体ホルモン「レボノルゲストレル」です。これは1960年代に作られ、1980年代に避妊薬として使われたのが最初です。1999年にフランスで「ノルレボ」としてフランスで正式に商品化され、それ以降各国で承認されていきました。
今ではWHOの必須医薬品のひとつで、基本的な保健システムに欠かせない最も重要な医薬品です。経口避妊薬と聞くと近年から出てきたイメージが強いかもしれませんが、初めて世に出た時期は案外昔なのです。
ノルレボ錠の効果
まず、ノルレボは子宮内膜に作用する薬であり、その効果は主として排卵抑制によるものであると考えられています。
・卵胞ホルモンの「エストロゲン」
・黄体ホルモンの「プロゲステロン」
もともと体内では、これら2つのホルモンが約4週間の周期で分泌量を変化させ、子宮内膜の再生・剥離を繰り返しています。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の働き
女性の体、特に子宮を妊娠の準備をするように変化させ、月経周期を決めるのは、黄体ホルモンの主な働きです。もし妊娠が起こった場合には、出産までの間、妊娠を維持させる役目もあります。
生体内で黄体ホルモンとして働いている物質のほとんどが「プロゲステロン」です。
ノルレボ錠に含まれるレボノルゲストレルは人工的に合成された黄体ホルモン作用を持つホルモン類似物質で、プロゲステロンそのものを投与するよりも効果が高いです。
ノルレボ錠は避妊を目的として処方されますが、避妊効果は必ずしも100%ではありません。飲み忘れを含めた一般的な使用における失敗率は9%と報告されています。
効果において気をつけること
よく勘違いされる方がいるのですが、この薬はHIV感染(エイズ)および他の性感染症、たとえば梅毒、性器ヘルペス、淋病、クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、腟トリコモナス症、B型肝炎などを防止するものではありません。
これらの感染防止にはコンドームを使用することが大切です。また、性感染症は早期発見、早期治療が重要ですので積極的に検査を受けるようにしてください。
ノルレボ錠の副作用
ノルレボによる副作用は服用後24時間~2、3日後まで続くとされています。副作用は成分の吸収とともに起こる急激なホルモンバランスの変化が原因なので、時間とともに軽くなっていきます。
主な副作用の症状
頭痛(12.3%)吐き気(9.2%)倦怠感、疲労感(7.7%)眠くなる(6.2%)などが挙げられます。
他にも胸の張りや腹痛、ニキビといったケースが出ることもあります。また、ほてりを感じることもありますが、これもホルモンバランスの変化で体が生理前のようになっているため起こるもので、過度に心配する必要はありません。
これらの症状が出てなかなか治まらなかったり、不安があったりする場合はノルレボを処方してくれた医師、薬剤師に相談しましょう。
ノルレボ錠の飲み方
性交後72時間以内にノルレボ錠1.5㎎1錠をできるだけ速やかに服用してください。早く飲めば飲むほど効果が高まります。コップ一杯程度の水またはぬるま湯で飲みましょう。
もし、ノルレボ錠を飲み忘れた場合は?
以下に服用の時間と効果を表にします。72時間以内とはいえ刻一刻と効果が減弱していっていることがわかると思います。
性交後の経過時間 | 妊娠率 |
---|---|
12時間以内 | 0.50% |
13時間~24時間以内 | 1.50% |
25時間~36時間以内 | 1.80% |
37時間~48時間以内 | 2.60% |
49時間~60時間以内 | 3.10% |
61時間~72時間以内 | 4.10% |
ノルレボ錠を服用する際の注意点
ノルレボ錠を服用する際に以下のような人は注意する必要があります。
ノルレボを使用することができない人
・ノルレボ錠にアレルギーが出たことのある人
・肝臓の機能に重大な障害がある人
・妊娠している人
ノルレボを慎重に使う必要がある人
・心臓に疾患のある人、または既往歴がある人
・腎臓に疾患のある人、または既往歴がある人
・肝臓の機能に障害がある人
以上のことは自分で判断するのは難しいため、必ず医師、専門家の判断を仰ぎましょう。
ノルレボ錠の購入方法
病院で処方してもらう
基本的にピルは病院で処方してもらいます。ピル自体は、ドラックストアーなどで売っている風邪薬とは違い、副作用が強い薬になります。そのため、医師の診断のもと処方してもらいましょう。
また、ピルの場合は使用するにあたり、いくつか条件があります。自分が医師や薬剤師でない限り、薬の知識は乏しいですよね。専門家の説明を聞き、安心安全にお薬を使用しましょう。
通販サイトで購入する
ノルレボのジェネリックである、「アイピル」などは海外の通販サイトでも大人気の商品となっています。通販サイトが人気な理由としては、通常は10,000円以上する薬が2,000~3,000円程度で手に入れることができるからです。
しかし、通販サイトの場合は、偽物の薬が送られてくるということもあります。そのため、効果があらわれない場合も。
また、それだけならばまだしも、劣悪な環境下で安くピルが作られている可能性もあり、不純物がピル内に混ざっている可能性も。通販サイトを利用するのは自己責任ですが、ちゃんとした効果と安全性を求めるのであれば、間違いなく病院で処方してもらうのが1番です。